白濁

快感が、

白濁に、花冷えに、手首を貫く神経に、映画の中で完成したエーテルに、初秋に、脱げかけのくつしたに、触れられない存在に、すべすべの肌に、痛くないほど細かい針に、

あることをもう知っていて、それはそれで、繰り返してもよかったんだけど、他のものを知らないだけだと思っていたら、日差しの強い10時40分の駅前で、マラソンの後の授業みたいな (学校じゃんか、学校はずる) すがすがしい息切れが急に降ってきて、全能の快感を知った、私だけの快感が、目をかっぴらいても強度を下げなかったら、待っていることに気づくと思った。